鹿児島県一周旅行
99´
春休みで、実家に帰省中の管理人神山。 毎日のように店番や畑仕事をしていた彼だが、彼には一つ、 この春休み中にやりたいことがあった。 それは、 「鹿児島県本土原付一周旅行」。読んで字の如く、原チャで鹿県を 一周することである。


 3月12日[薄◎]  一日目:懐かしき旅路・星空とロマンスの輝北町
10:00 神山書店 最近雨ばかりだったが、 久しぶりにいい天気になった。快晴とまではいかないが、なかなかいい天気だ。
さァ、出発だ。出発地はもちろん自宅前。お隣の山口石油でガソリン満タンにしてもらう。 ちなみにこの原付、親父の知り合いの方から借りてきたものだ。車体はけっこう 大きく、馬力はかなりある。しかし、ちょっと問題が…。実はバッテリーが 使えなくなっているのである。おかげでウィンカーが点滅しない、ホーンも鳴らない。
さすがにこれはやばいので、迫田自転車に持っていって、バッテリーを 交換してもらうことになった。交換の最中に迫田のおじちゃんに言われた、 「前輪のブレーキが噛んでるね。このままじゃ途中で溶けて動かなくなるぞ。」 ?!、そういえば、妙に車輪の回転が悪い。見ると、なるほどブレーキディスクが かなり熱を持っている。迫田さんがすぐ直してくれたが、絶対に前ブレーキは使うな といわれた。一度噛むと元に戻らないからだ。う〜ん、大丈夫だろうか。 結局、多少の不安を抱えたまま、神山は出発したのである。よっしゃあ!

11:00 山川町 自宅前の国道226号線を南下、途中でドラッグセンターに寄り、 カイロとハンドタオルを購入。再び出発し山川港に到着した。 ここからフェリーに乗り大隅半島に渡るのだ。言い忘れていたが、今日の目的地は、 輝北町の輝北天球館である。原付の乗船券を買ったが、フェリーの出航は12:00だった。 時間があるので、ちょっと出かけることにした。よし、鰻池に行こう。
鰻池には、15分ほどで着いた。池田湖の隣にあることは知っていたのだが、来た記憶は ない。もしかしたら初めてじゃなかろうか。なかなか大きな湖で、近くにはいくつか温泉が あった。バス停も発見、鹿児島交通だ、さすが鹿児島交通!(ひいき)
鰻池の次は、竹山の近くに来た。竹山は山川の南の方にあり、奇妙な形をした山である。 山の斜面(むしろ壁面)には、南国らしくソテツがへばりついていた。 結局、街の周りを一周する形で港へ戻ってきた。

12:00 南海郵船フェリー 11:45頃にフェリーが到着、早速乗り込んだ。フェリー内には 売店やテラス、広間などがあり、十分くつろげる。汽笛と「我は海の子」が鳴り響く、 いよいよ出航だ。
山川町というところは、入り江の約半分が港になっている。海側から陸地を見ると、 なかなかおもしろいパノラマが広がる。ふと指宿側を見ると、かの有名な 指宿いわさきホテルが大きく見えている。こうして海側から見ると、指宿もビルの建ち並ぶ なかなかの都会に見えるからおもしろい。さすが観光都市。
昼飯はフェリーの売店でおにぎりと月見うどんを食った。眺めがいいと飯もうまい! おにぎりといえば、地域の行事(ホゼ祭りとか)のときに出てくるにぎりめしは、何も具は入ってないのに 何故にあんなにうまいのだろうか。と、ゆうようなことを考えていたと思う。

12:40 根占港〜輝北天球館 確か、30分くらいで根占に到着したと思う。根占港は、 二年前、神山がおなじようにバスで一人旅をしたときのゴール地点だったところである。 あのときは地図も持たずに桜島から鹿屋経由で輝北に向かい、一泊して今度は佐多岬を 目指すという無謀なものだった。輝北町にはどう行けばいいのか、どのバスに乗れば 佐多岬に着くのかも知らなかったために、ある意味非常にスリルがあった。 うまくいったからいいものを…
とにかく、今度はその逆を行くのである。根占港を出て鹿屋方面に向かって 走り始めた。今回は佐多岬までは行かない。もういいや。だから太平洋方面にも行かない ことにした。内之浦ロケット発着所とか志布志湾とかも見たかったんだけど今回はパス。
国道269号線を北上。二年前に通った道なのでなんか懐かしい。指宿と違い乗用車が すぐ脇をバンバン通り過ぎて行く(指宿では大きく避ける)。昨日雨が降っていたためか、 この日はどうもほこりっぽい。ヘルメットはフルフェイスだったが、 どうしても目にゴミが入ってくる。しかもこのヘルメ、窓にかなりの傷が付いていて、 窓を下ろすと極端に視界が悪くなるため、あんまりおろしたくない。 眼鏡も持っていたはずなのだが、ザックの中だったので、結局使わなかった。
しばらくすると、垂水方面と鹿屋方面の分岐があった、迷わず右を選ぶ。…っとまてよ!? いま赤信号がなかったか?大丈夫かなぁ、とか思いつつ、交差点を直進し、ひたすら進む。 すると、なぜだか道がどんどん細くなってきた。おかしい、どう見ても国道じゃ ないっぽい。すると前方に工事現場が立ちはだかった。おじさんがなんか言っていたが 構わずに進む。そして道路がとぎれて畑にぶつかった。…なぜだろう、工事現場の おじさん達の白い視線を浴びながら交差点の手前まで戻る。なんと、交差点で国道が 右に折れていたのである。紛らわしいことこの上ない。でも悪いのは俺。 どうやらかなり注意力が散漫になっていたらしい。いかん、ちょっしもた。さては、 信号無視の天罰か。
気をとりなおし、ひたすら進む。海上自衛隊鹿屋航空基地を通り過ぎ、ようやく鹿屋の 市街地にたどり着いた。実は、今回の旅行では、鹿県内にいくつかのチェックポイントを 決めておいた。この日のチェックポイントは鹿屋バスセンター(2年前に訪れた場所)。 そこにいけば、輝北町への方向が分かるからだ。…が、しかし、探しているうちに いつのまにか輝北町方面の道(国道504号線)に乗っていた。 後から地図で確認してみると、どうやら気付かずに通り過ぎていたようだ、残念。
途中、スーパーに立ち寄ってトイレ休憩。まだ先は長い、店内から流れてくる宇多田ヒカル とだんご三兄弟を聞きながら、今後の予定を立てる。輝北町といったら何といっても星空だろう。 しかしどうも雲行きが怪しい…こりゃあきらめた方がいいかも知れん。

15:00 輝北上場公園 高原への道が迂回路になっていたのでかなり険しかったが、 ようやく天球館に到着。2年前はヘール・ボップ彗星が近づいていたにもかかわらず、 休館日という不幸に見まわれたが、今年は大丈夫。入館料は700円だが、 天気が悪いと「ごめんなさい割引券」というのをくれる。館内は自由に回れるように なっているが、いかんせん建物自体がものすごい形なので、初めての方はかなり とまどうだろう。う〜ん、まぁ、これ以上は言わない。百聞は一見に何とやら。
さて、今夜の寝場所を探そう、天球館を出ると風がかなり強くなっていた。夜はかなり 冷え込みそうな気がしてきた。天球館に「子供の部屋」というスペースを発見、候補地 として挙げておく。近くにキャンプ場があり、「星生館」という管理室に行った。 「そこら辺に野宿してもいいですか?」「やめといたほうがいいよ…安くで部屋を 貸してあげるから、そこに泊まらんね?」「えっ!?いいんですか?」あぁ! 正直言って助かった!ありがとうございます。案内された場所はキャンプ場にあった 用具室。水道、電気、鍵付きで、一人で泊まるには結構広かった。
さぁ、寝場所も決まったし、次の目的地へ向かおう。次の目的地は「輝北町役場」! 2年前の旅行で、夜中、宿が見つからずに道をさまよっていた神山を拾って、一晩 自宅に泊めて下さった、中津川さんに会うためだ。星生館の管理人のおじさんが、 中津川さんに連絡して下さったので、すぐに出発できる。

16:30 輝北町役場 役場に到着(そろそろガソリンも無くなってきた)。そして 中津川さんと1年ぶりの再会(実は、1年前に鹿大で森本教授の退官記念講義の際に 会っていた)を果たすことができた。あぁ、なつかしい輝北町役場。2年前のあのときは なぜか職員のみなさんに混じってラジオ体操をしたり、資料の製本作業を手伝ったりした 記憶がある。
中津川さんが晩飯を一緒に食おうと言ってくださったが、仕事がまだまだ終わらない そうなので、再びお手伝いをすることになる。仕事は資料のラベルをラベルプリンター というもので作成する作業だ。機械の故障というアクシデントもあったが、とりあえず 問題なく仕事をこなすことができたと思う。やはり自分は理系の人間だったのか。

19:00 中津川さんのお宅 手伝いも終わり、ガソリンも入れてきた。すると、そろそろ 残業も終わりそうな中津川さんが、なんとまた「うちに泊まらんね。」と言って下さった! 自分でももう寝場所をとってあるし、今回は遠慮しますよ。と言ったのだが、結局、懲りずに お世話になることになってしまった。高原の方に置いてきた荷物は、あの管理人さんが 持ってきてくださった。本当に役場の方々にはお世話になりました。 ありがとうございました!曇ってたのが少し残念でした。
仕事も終わり、中津川さんの(新築の)お宅へ到着。風呂まで貸してもらってしまった。 中津川さんのお子さん達には、実家から持ってきた絵本をプレゼント。よろこんで くれました。中津川さんのご家族は、あの森本教授ともおつきあいが深いそうです。 うーん、びっくり。だってお子さんが教授のことを「じいちゃん」って呼ぶんですもん。 風呂の後は中津川さんと役場の方と一緒にごちそうを囲んで、夜中まで語り合いました。 酒が弱くてすみません、今度お会いするときまでに鍛えておきます。こんなに お世話になったんだから、せめてこの場で輝北町をPRさせていただきます。

輝北町ホームページ


 3月13日[●後◎]  二日目:新しい旅路・湯煙の霧島・そして迷子
9:00 出発 朝ご飯もいただきました、記念写真も撮らせていただきました。中津川さんの 一家にお礼を言って、雨の中、この旅初めてカッパを着て出発した。再びR504に乗る。 輝北を出る前に、夕べ教えてもらった神社に参拝していく。話によると縁結びの御利益が かなりあるらしい。うひょっ!(本人の姿勢が大切です)
二日目の目指すチェックポイントは「霧島の温泉」!午前中に入りたい。北へ、ただ ひたすら北へ。

10:00 福山町〜国分市〜霧島町 福山へ突入した。特に寄るとこも無いので、 そのまま突っ走ります。ここでちょっと原チャの紹介。前ブレーキが使えないだけでなく、 実はタコメーターが動かない。ずっと時速0kmだ。おまけに走行距離メーターも動いて いないことも分かった。警察に捕まらないことを祈る。霧島神宮の目の前まで来たが、 行くのはやめといた。霧島神宮も縁結びの神らしいからだ。もういいよ。途中、 道の駅でトイレ休憩、高度もかなり高くなってきた。疲れた、寒い。

12:00 牧園町 霧島温泉郷(牧園)突入。温泉は、鹿児島県と宮崎県の県境近くにある 新湯温泉に決定、雨の山道をひたすら登る。道路の近くからは硫黄の煙が立ちこめている。 看板には「有害ガスですので窓を開けないで下さい。」の文字が。無理じゃん。
途中、有名な林田温泉ホテルがあった。ホテルは改装中、ここももうすぐ「いわさき」 の名前に変わるのだろう。
新湯温泉をようやく発見。もの凄いところにあるなぁ。入浴料は500円、効能は 主に外傷などだそうです。あぁ、きもちえぇ。チェックポイントクリア。今日はもう一つ チェックポイントがある。姶良町の「スターランドAIRA」。さぁ、いくべ。体が温まった ので、気分がいい。来た道を引き返し、再び国道223号線にのり、南下する。途中で、 この旅3回目の給油、このころには雨もあがっていた。スタンドのおじちゃんが 「山の上と下じゃ天気が違うよー。」と教えてくれた。
そろそろ腹が減ってきた。途中の定食屋で、豚カツ定食を食う。ちょっと一休み。
そろそろ行くか、と、店を出た直後、何故か急にさびしさがおそってくる。なんか すぐにでも家に帰りたくなってきた。自分をごまかすように、神山は原チャを 飛ばした。

14:00 溝辺町〜姶良町 溝辺に突入、再びR504に乗った。しばらくすると、見覚えのある 建物が…なんと鹿児島空港ではないか、あれ?おかしい。空港なんて通るっけ?地図で 確認してみると、やはり道を間違っていた。しもた、反対じゃった。
スターランドAIRAは山の中っぽいので、国道からいったん外れる。地図によると、ここを 右に曲がって県民の森を過ぎれば目的地だ。早く行こう。しかし神山は、その道が地図上 では途切れていたことに気付いていなかった。
しばらくすると県民の森にたどり着いた。よし、もうすぐだ。ここを通り抜ければいい。 いい具合に、県民の森には案内板があったので、道は分かった。後はこの道を行けばいい だけだ。
 …(約20分後)…おかしい、確かに道は続いている、方向もあっていると思う。しかし、 道の広さは車一台分くらいしかない。おまけに民家もない。人もいない。畑もない。 横の崖が崩れかけている。薄暗い。ほんとに大丈夫なのか?やばくないかぁ?
道はどんどん悪くなっていく。既にアスファルトじゃなくてセメントだ。何十分くらい たっただろうか、ようやくまともな道に出た。民家もあったし、人もいた。 しかしどう見ても道を間違えたとしか思えない。まいった、ここはどこだ?とにかく進む。 すると、祁答院町との町境と標識があった。裏には姶良町とある。いつの間にか姶良に 入っていた。そしてもうひとつの標識には「県道」とある。何?こんな道が県道だと? もしかしたら…と思い、地図で確認してみる。あぁ、ようやく現在地が分かった。 姶良と祁答院をつなぐ県道は一本だけだった。しかもこの道を戻れば(出たところを 反対に行けば)スターランドAIRAにつくのだ。よし、急ぐぜ。

15:30 スターランドAIRA あぁ、疲れた。ようやく到着。建物は立派だが、立地が悪い。 こんな山奥に作るなよー。その点、輝北天球館はわかりやすかったなぁ。スターランドの 入館料は210円(安いな)。施設の中は分かりやすいつくりだった。接客態度が良く、 予定時刻外だったのにプラネタリウムを上映してくれた。おもしろかったなぁ。 館長の百武さんにも会いたかったな。

16:30 祁答院町〜宮之城町〜出水市 今度はちゃんと祁答院に突入。ひたすら今夜の 宿泊予定地、出水を目指す。宮之城では何度か道を間違えたが、ようやくR504に戻る ことができた。宮之城の市街地で国道328号線にのりかえ、夕暮れ迫る道をひたすら進む。 長旅のせいか、腰が痛くなってきた。結構寒い、手が一番冷えるので、コートのポケットに カイロを入れてしのぐ。
出水市に突入、山の中のR328をひたすら走る。さすがに薄暗くなってきた。今夜はどこで 寝ようかな。シュラフもカイロもあるので、野宿することもできたのだが、神山はちょっと その気にはなれなかった。なぜなら、鹿児島県の西側といえば、東シナ海があるからだ。 何故東シナ海が危険なのか?それはずばり北朝鮮がこわいからである。野宿なんて していたら、夜中に拉致されるかも知れないじゃないか!!馬鹿みたいな話だが、神山はマジで 信じていた。(その10日後、例の北朝鮮偽装工作船事件があったのは言うまでもない。ほらぁ!)
うまいぐあいに、国道沿いに旅館の看板がいくつか出ていた。その中の一つ、 「出水温泉保養センター 1泊3000円〜」というのを見つけた。よしゃ、ここにすっかい。

18:00 出水市街地 やっと山を抜け、市街地に入った。日は沈みかけていたが、まだ明るかった。 あちこちに鶴の看板や銅像が目立つ、さすが鶴の町。ここでこの旅4回目の給油。
「出水温泉保養センター」に電話すると、空いているそうだ。よし、決定。さぁ、ゆこう。あれ?どっちに 行けばいいんだ?出水市もかなり広い、初めて来たので、さっぱり分からなかった。しょうがないので コンビニによって地図で確認、「米ノ津」というところの近くらしい。ようやく見つけた頃にはもう すっかり日も暮れていた。
とれた部屋は、5〜6人は十分寝られる広い部屋。こたつ、テレビ、エアコン、洗面所完備で1泊 3600円というお得な部屋だった。すっかり腹が減った、地図代わりに持ってきた「るるぶ鹿児島」で、 おすすめ料理店を探す。「ライラック」という店に行った。にぎやかなお店で、料理もおいしかった。 旅館に戻って、温泉にはいることにした、客が少なかったのでゆっくりと入れた。「電気風呂」という のを見つけたので入ってみた。うおぉ、、、、、、こりゃいいわ(至福・悦楽)。やっと長い1日が 終わった。

 3月14日[ほとんど●]  三日目:妹・磯の香り・旅の終わり
9:00 阿久根市 旅館を出て、国道3号線に乗る。今日のチェックポイントは「枕崎お魚センター」。 枕崎に向かってひたすら走る。この日は朝から雨だった。高尾野町、野田町を抜けて阿久根に 入った。何も食わずに出発したので、途中のうどん屋で朝御飯。揚げたての薩摩揚げが おいしかった。食ってるうちに気が変わり、途中の加世田市で妹に会っていこうか、と思った。 早速隣の土産もの屋で饅頭を買い、再び走り出した。新チェックポイントは「鳳凰高校」だ。

10:30 川内市 川内に突入、川内と言えばやはり原子力発電所かな?ということで、国道を 外れて原発へ向かう。川内河口大橋の手前で道を間違え、堤防と草むらの中を抜けてようやく元に 戻れたというドジはあったものの、無事、川内原発を通過。予定では、このあとすぐにR3に戻れる 予定だったが、地図で見てみると、全然違う方向だった。しょうがないのでまっすぐ進む。

11:00 串木野市 山道の県道を抜けると、小さな港町が見えた、何となく自分の実家のあたりを 思い出させる景色だ。もう串木野らしい。なんか裏道っぽい雰囲気の細い道路を抜けて、港町に 入った。すると、何故か町の人がたくさん道路に出て立っていた。間を抜けるときに、なんかみんな こっちを見ているようで恥ずかしかった。このとき神山は、背中にでかいザックを背負い、雨が あがっていたにもかかわらず、カッパ姿で原付に乗る、という格好だった。確かに目立つかもしれん。 実はそのとき、小学校か中学校の駅伝大会が行われていたらしくて、そのコース上を走って いた、と気付いたのは、すぐ横を、たすきを掛けたお子さん達が走っていったときだった。うっわー、 恥っずかしー。
しばらく走って、串木野の市街地へ入った。ここでまたR3に入ったつもりだったのだが、なぜか 噴水のあるロータリーにぶつかってしまった。道が4本に分かれている。ちょっ待てよ、どれが正解だ? 結局、2,3度間違えて、ようやくR3に戻れた。

11:30 市来町〜東市来町〜日吉町〜吹上町〜金峰町 市来町で、国道270号線に入る。この道路は 枕崎までつながっているので、ただひたすら走り続ける。途中の日吉町で、5度目の給油を済ませる。 海岸道路でふと右側を眺めると、海の向こうにうっすらと陸地が見える。あぁ、あれは朝鮮半島だな、 と思いながら進むが、その後すぐに甑島であったことに気付く。万之瀬川を抜けて、 いよいよ加世田市である。

13:00 加世田市 加世田に入ったが、鳳凰高校の場所が分からないので、元相部屋で加世田出身の 取違君に電話を入れ、訪ねてみた。彼は昨日が自分の誕生日だったことをアピールしていたが、 どうでも良かった。なかなか見つからなくて、困っていると、また雨が降りはじめた。しょうがなく、 コンビニのおじさんに聞いてみると、親切に教えてくれた。いそいで向かい、高校の近くの交差点を 曲がると、すぐそこを、なんと妹が歩いていた。制服を着ていても、やはり兄弟というものはすぐ お互いが分かるものなんだなあ、と、ちょっとびっくり。「麻子!」と声をかけると、妹はものすごい びびったらしく、「うおぉ!」といいながら飛び退いた。が、まぁやっぱりうれしかったらしく、「ありがとう」と 言ってくれた。あとで親から聞いたのだが、鳳凰高校の女子寮は「男子立ち入り禁制」らしく、 電話の取り次ぎや、面会までもままならないそうだ。ちょうど妹が出かける途中で見つけたので、 会えたのはまさに偶然だったわけである。すごいね。
このあと、雨が少し強くなったので、再びカッパを着込む。そしてついに枕崎突入。

14:00 枕崎お魚センター 枕崎に入る、さすが漁業の町、海のにおいがする。お魚センターは港の 堤防の上に建てられていた。あー腹減った、ちょうどこの日は、「カツオ漁師鍋」というのを無料で 配っていた。カツオとキャベツを煮込んだだけっぽいのだが、結構うまかった。昼飯は鉄火丼を 食べたかったので、二階のレストランで食べることにした。さすが本場の枕崎、カツオがプリプリして 非常にうまかった。(実は鉄火丼=マグロ≠カツオであることを知ったのはだいぶ後。でもいいの、俺は実際カツオが食べたくて、何の疑問もなく「カツオ丼」を頼んだのだから。)
一階はいろんな魚介類の特産品が売っていた。俺はカツオの塩辛(塩辛・キムチ塩辛)を買った。 よし、これで後は帰るだけだ。
センターを出てしばらく行くと、国道に出た。懐かしいR226である。ここをまっすぐ行けば、 家に着くのだ。

14:30 知覧町〜頴娃町〜開聞町〜池田湖 雨もけっこう降っていたが、後はまっすぐ 帰るだけである。なんて事はない。知覧・頴娃を抜け、開聞に入る。雲で頂上までは見えなかったが、 開聞岳が大きく目の前にそびえ立っていた。池田湖経由で帰った方がいいかな、と思い、牧聞神社 と池田湖のルートで帰ることにする。看板に「←池田湖」とあったので左に曲がったが、どうも知らない 道に入ってしまった。なぜか山道になっている。しまった、曲がるのが早すぎたらしい。あわてて 引き返したが、雨と下り坂のせいで、カーブで滑ってしまった。まわりに車がいなくて良かったよ。 ちなみにさっきの道をそのまま行くと、「ムー大陸博物館」というところにでていたらしい。行かなくて 正解だったかもしれん…
こんどはちゃんと牧聞神社をすぎ、池田湖まで行くことができた。ここまでくれば、もう西指宿中学校 (母校)の校区内である。もうちょっと天気が良ければゆっくりしていけたのだが、 もう早めに帰ることにした。

15:30 神山書店 遂に到着!あー疲れた。二泊三日、長いようで短かった。 「充実」というものは、こうゆうことをいうのだろう。今回も、行く先々で、いろんな人にお世話に なりました。ありがとうございました。そして、この長ったらしい文を読んでくれたあなた、 お疲れさま、ありがとうございました。
終わり



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